ガバナンスを効かせるための体制として、IIJ(The Institute of Internal Auditors)が示している3ラインモデルが一般に知られています。これは、従来の3ラインディフェンスモデルをアップデートしたもので、守りのための牽制だけでなく、攻めのガバナンスで価値を生み出すために第1線と第2線が連携して活動することが強調されたものです。第1線におけるガバナンスを強化するための、第1.5線としての活動にも通じます。Dynamic Risk Managementを推進する役割は第2線にあたるコーポレートの各部門にあると考えていますが、組織が大きくなると縦割り行政になりがちで、それはコーポレートと事業部門との壁だけでなく、事業部門内での組織の壁も生んでいくことが懸念されます。そのため、コーポレートの各部門が率先して組織の役割に拘らないコミュニティを形成して活動し、事業部門の一員であるかのように事業に貢献することが望まれます。