かつてJapan as No.1と称された時代、日本流の品質マネジメントは高品質なモノづくりを支える仕組みとして完成度を高めてきました。製造現場のQCから経営と一体となったTQMに至るまで、対象や指標が増えてきた変遷を振り返ると、これからの品質マネジメントに必要なことが見えてきます。QC的な考え方や手法をあらゆる事業活動で活用することは、顧客の声を反映して良いものを安くという成熟したモノづくりに合った秀逸なものです。それが秀逸過ぎるが故に、既存事業の改善活動に注力し過ぎるという副作用が生まれ、”できなかったコト”を”できるコト”に変えるというコトづくりを軽視しがちな仕組みになっていると考えられます。コトづくりは昔からあったはずです。ウォークマンは”外出しながら音楽を聴くコト”という楽しさを生み出しました。さらに歴史を遡ると、洗濯機や冷蔵庫は”短時間で家事をするコト”という嬉しさを生み出しました。TQMの本質にはモノづくりとコトづくりの両方が含まれていると考えて、モノ×コトの組み合わせで価値を生み出す仕組みはどうすれば実現できるか、歴史から学ぶことがDRMの出発点です。